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- 2015-01-21
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第9回 重層的フェールセーフシステム研究会開催
場所:人間・環境系教育研究棟 1階土木大会議室
時間:12:10~12:50(話題提供+ディスカッション)
話題提供:
・佐々木保正先生
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研究会概要
研究目的
2011年に発生した東日本大震災において,沿岸部に構築されていたガス供給施設,下水処理施設,そして原子力発電所などの重要社会基盤施設や庁舎など公共建築物は,構造物としては十分な耐震設計がなされ,単一の機能体としてはシステム内部での二重あるいは三重のフェールセーフシステムが構築・計画されていた.しかし,そのフェールセーフシステムは単一の機能体だけで閉じた考え方のもので,しかも地震力という単一の外力に耐えるという発想しかなかったため,いわゆる「想定外」の津波という巨大な外力によって被害を被った後の混乱は,そうした従来の安全対策の弱点を露呈するものであった.逆に,そのことは単一の機能体の中だけで閉じたフェールセーフシステムではなく,同種あるいは異種の機能体が,それらの機能が劣化あるいは停止したときに互いに補い合うような,従来に欠けていた「重層的なフェールセーフシステム」を構築しておくことの重要性が浮き彫りとなった.
本研究会では,復興に向けて災害に強い町作りのために,重層的なフェールセーフシステムを備えた社会基盤構築のための学理研究を行うとともに,被災社会と同様な施設を抱える地域社会への提言を行う.
研究内容
(1)重要社会基盤構造物について,従来設計のように外力を上回る耐力を期待するという簡単な図式ではなく,想定外の過大な外力に対して破壊効果を段階的に減じるような構造を実現させるための設計理論の研究
- 津波のエネルギーを段階的に減ずる防波堤の構造と配置に関する研究
- 橋梁の耐震・耐津波設計理論の研究
- 盛土構造の最適化の研究(鉄道,道路に加えて防波堤としての機能の付加) etc.
(2)災害時において段階的に失われる社会施設の機能を保障するため,同種施設群の最適配置,あるいは代替機能を供給するための道路・鉄道ネットワーク計画など,ハード・ソフト両面からのバックアップシステムの研究
- エネルギー施設,上下水サービス施設の最適配置の研究(統合配置による効率化とリスク回避のための分散配置をどう考えるか)
- 災害に強い交通・物流ネットワーク,災害に強いライフラインとするためのネットワーク最適化の研究(完全供給停止地域をなくす) etc.
(3)地震・津波につよい町づくりのための住居および町並みの研究
- 一般的住居の耐震設計に関する研究
- 津波につよい住居の研究
- 津波による被害を軽減するための建物の最適配置(オフィスビル,工場,作業場,住居,避難所などの配置) etc.
(4)社会の多方面における機能体を相互に連結し,重層的フェールセーフを実現するための制度研究
- 地域コミュニティにおける災害時の自助,共助(避難,助け合い)
- 地域コミュニティ間の相互扶助制度
- 市町村など自治体間の相互扶助制度
- 国と市町村間の相互扶助制度 etc.