東北大学大学院 工学研究科 都市・建築学専攻
空間文化史学分野 野村研究室

History of Architecture/ Architectural History, Tohoku University
 #建築史学 #文化財学

建築模型・図面

  •  東北大学工学研究科都市・建築学専攻は、本専攻の前身となる仙台高等工業学校などから継承された貴重な建築資料を所蔵し、教育・研究のため活用してきました。これら資料のうち、実在の建築を表象した建築模型の一部を以下にご紹介いたします。(野村俊一)



    円覚寺舎利殿断面模型
    所在地:神奈川県鎌倉市
    室町中期に創建された禅宗様建築の典型例。主屋にみる二軒の扇垂木や、柱頭に載る台輪、中備にも組物を配置する詰組、尖頭アーチ形の花頭窓など、禅宗様の細部意匠や技法を正確に再現する。また、断面模型として小屋組を露出させているため、小屋束や貫、桔木、その下の大虹梁や太瓶束など、屋根および軒の荷重を支える架構を詳細に確認することができる。(嶋田瑛)




    初期書院造模型
    おもに武家で普及した住宅形式で、床・棚・附書院などの座敷飾を備えた対面の場をもつ。中門廊と広縁に沿うように並んだ二列の室構成など、滋賀県の園城寺光浄院客殿(滋賀県・1601年創建)と類似する点が多いが、床下の亀腹、上段の間を欠いた平面構成、広縁と逆方向に設けられた附書院など、いくつかの相違点もみられる。保存状態は良好で、屋根の懸魚や中門廊の架構など細部まで作り込まれている。(永友貴博)



    伊勢神宮内宮正殿模型
    所在地:三重県伊勢市
    皇大神宮(内宮)と豊受大神宮(外宮)のうち、前者の中心的な建物。切妻造、掘立柱、高床式、妻入、棟持柱など神明造の特徴にくわえ、登高欄が付く十段の階(きざはし)、十本の鰹木、内削ぎの千木、茅葺屋根、金属製の擬宝珠など、実在の建造物にみる技法・意匠が忠実に表現されている。その一方で、銅製居玉や飾金具がないなどの相違点も確認できる。(山崎有生)




    禅宗様出組模型(写真は背面)
    木製の出組の模型。出組とは建築物の柱上で軒を支える組物の一種で、斗の上に肘木を置き、その上に斗を三つ置いた三斗組から、さらに壁から直角に前方に肘木を出し、その先の斗の上に一組の斗と肘木をのせたものである。台輪や頭貫の形状から禅宗様の出組であることが明らかであるが、詰組になっていないなど特殊な点も散見される。(新山将基)